Time Schedule 社員の1日

10代、20代の生きづらさ 声聴き伝える
虐待、ケア、貧困…仕組みづくりを後押し

川野 由起/ KAWANO YUKI

所属部署くらし報道部

入社年 / 専攻2019年入社 / 教養学部

現在の仕事
こども家庭庁を担当 政策の裏側もウォッチ

こども家庭庁の担当をしています。少子化対策、子どもの性被害を防ぐための新制度「日本版DBS」子どもの貧困解消に向けた法改正などの取材をしました。また、10代20代の皆さんにお話を聞かせてもらうことを大切にしています。虐待やケア、貧困などに苦しみ、大人になっても生きづらさを感じる人がいます。記事にして伝えることで、人や情報とつながり、そうした状況が少しでも和らいだり、支えとなる仕組みづくりの後押しができたりしたらと思っています。(写真は朝日新聞ポッドキャスト収録の様子)

川野さんが担当した連載(画像をクリックすると記事にジャンプします)

印象に残っていること
書くこと通じて支える 決意した出会い

さいたま市にある若者たちの居場所に通って書いた連載です。虐待などで家庭を離れ、児童養護施設などの社会的養護下で育った若者たちが集まっています。そこで、「誰かのために」と自分の経験を伝えてくれる当時10代の皆さんに出会いました。「子どもが自分では選べない環境のせいで、誰にも助けてもらえずじっと耐えているのはおかしい」と強く思うようになりました。ここでの取材が、各地の若者たちの声を聴くことを大切にしたいと思うきっかけになりました。

MY CAREER HISTORY私のキャリアヒストリー

2019 / 04

入社 仙台総局 [1年目]

新卒で入社して約3年勤めた会社から転職。県警担当と東日本大震災の取材をしました。大切な人をなくされた方、アルコール依存症になった方、警察や海上保安署員として捜索にあたった方々にお話を聞かせていただきました。ここで教えていただいた「痛みとともに生きること」は、今も記事を書く原点です   

2021/ 04

さいたま総局 [3年目]

県政担当をしました。新型コロナ禍の異動でコロナ対策の取材に明け暮れました。国政選挙・統一地方選も担当しました。生活保護の「扶養照会」の手続きについて、全国の自治体の調査報道もし、「家族頼みの社会保障」について問題提起しました  

2023 / 04

東京本社 くらし報道部[5年目]

若年層で急増する市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)や、虐待などを受けた子どもたちが緊急で保護されて過ごす一時保護所など、子ども・若者が直面している現状や生きづらさについて取材し、よりよい制度や支援につながればと記事にしています

川野さんの一日

09:30

こども家庭庁の記者クラブに出勤

霞が関のビル内にある記者クラブでメールのチェックをしたり、その日出す予定の原稿についてデスクに相談したりします

  
11:00

こども政策担当相の記者会見

火曜と金曜にはすべての閣僚(大臣)が参加する定例閣議があり、その後に各大臣が記者会見を開きます。国会期間中は、審議中の法案などについて質問が出ます   

13:00

取材先とお昼

お世話になった取材先と久しぶりに再会し、お昼ご飯。近況を話したり、現場でおもしろい話があれば、記事にできないかを考えたりします

15:00

取材

長期的にこんなことを書きたい!と考えているテーマについて、当事者や支援者、識者などに取材をお願いします。取材で出会った人が、他にも話を聞かせてくれる人を紹介してくれることもあります

  
17:00

原稿執筆など

取材内容の音声を聞き直し、どんな話をしていたか、どんな記事が書けそうか、頭を悩ませながら構成を考えたり、記事を書いたりします

  

入社動機

自分が行かなければ、出会わなければ、誰も知らなかったかもしれない事実や思いを届けられる仕事だからです。お金があれば、豊富な人材がいれば、社会に強いメッセージを発信できる世の中で、記者は「こんな生き方もある」「おかしいことはおかしい」と自分の心が動いたことをもとに何かを伝えられる、他に代えがたいおもしろさがあると思います。

オフの過ごし方

朝はゆっくり寝て、銭湯に行ったり、ラジオを聞いたり、映画を観たり、公園で走ったりしています。学生時代の友人や同期、総局時代の同僚などに会って、お酒を飲むのも楽しいです。平日は外食が多い分、レシピを探して少し凝ったご飯をつくるのも好きです。充実している風ですが、ただごろごろしている日もあります。

みなさんへのメッセージ

「何の仕事をしてどう生きていこうか」迷うことも多いと思います。私は転職して記者になりましたが、前職も今の仕事も、自分を形づくる大切なものになりました。悩みながら決めた道をどうか大切にしてください!

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