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03 進化する記者

朝日新聞社の記者の仕事は、取材した情報を「新聞」に掲載するだけではありません。「朝日新聞デジタル」や若者向けのニュースサイト「withnews」など、発信手段は広がっています。インターネットテレビ「AbemaTV」のニュースチャンネルにも出演する、村山祐介・GLOBE編集部員の仕事の様子を紹介します。

新聞記者がテレビ番組を製作

 従来の新聞の枠を超える試みを続けているGLOBEは、毎月1回紙面を発行するほか、大型ルポをAbemaとのコラボで番組化しています。

 「AbemaTV」のニュースチャンネルと共同で製作した番組「『野獣』という名の列車をたどって」が、一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟による「第34回ATP賞テレビグランプリ」ドキュメンタリー部門の奨励賞を受賞。「メディアの枠を超えたドキュメンタリーの可能性を示した意欲作」と評価されました。
 番組では、村山記者がスタジオで解説し、現地でリポートする様子も映し出されます。

受賞した特集番組の企画は何がきっかけとなったのでしょうか?

村山:番組は、2018年3月に発行したGLOBE紙面とコラボしています。
 2017年に「トランプの壁」の企画でアメリカ国境3200キロを取材しました。その際、「貨物列車の屋根に乗って来た」と語っていた移民の男性の話が、「野獣~」企画のきっかけとなりました。アメリカ南部のマッカランからエルサルバドルまで、アメリカに向かう移民と逆のルートをたどって、彼らの故郷を目指しました。

新聞記者がどのように番組作りに関わるのですか?

村山:番組は、スタジオで解説するだけでなく、企画段階からテレビ局スタッフと意見交換をしながら2カ月ほどかけて一緒に作り上げていきます。
 45分の番組のうち、25分くらいの映像を記者が撮影しています。「町を象徴する場面を映像におさえる」ことや「取材先に向かう車の中でもカメラを回す」ことなど、新聞に載せる記事だけを書く際には意識しなかったような仕事もやるようになりました。ICレコーダーを回しながら、メモをとりつつ、写真を撮影し、動画も撮る。現場での作業は格段に増えました。
 でもその分、音や動きなど、文字だけでは伝わりきらない現場の臨場感が伝えられることは大きな魅力です。文章や写真だけでは「ピンとこない」と言われてしまう情感や表情、緊張感も、動画があればイメージがわかりやすくなりますし、語り手の証言を実際の現場の映像をつなぐことで再現するなど、番組だからできることがあると感じています。
 そうしたノウハウをもつテレビ局スタッフの方々と一緒に番組を作ることで、大きな刺激を受けています。

 新聞とテレビ、ウェブを組み合わせることで、表現の可能性が広がることも実感しています。紙面で書ききれなかったこと、番組に盛り込めなかったことはウェブの「GLOBE+」へ。関心がある読者に向けて、より詳しく発信しています。

これからの時代、新聞記者の強みは何でしょうか?これから挑戦したいことはありますか?

村山:クルーで動くテレビと比べると、一人で動くことが多い新聞記者の方が小回りのきく取材ができるとは言えるかも知れません。ただ、「新聞記者だからできる」「テレビだからできる」という仕事は、少なくなってきていると感じています。
 一方、組織としての新聞社には、分厚い人材とノウハウの蓄積、組織力があり、一つのテーマを突き詰めて深く掘っていく環境が整っている、という強みがあると思います。
 取材したものをどう伝えるか、「何でもあり」の時代です。新聞社のアセット(資産)である取材力で集めた素材を、新聞、テレビ、ウェブとそれぞれのメディアの表現力を生かして世の中に届けることができる、おもしろい時代だと感じています。
 これからは、リッチコンテンツを作って英語で世界に発信できたら、と個人的には思っています。

Profile

村山祐介(むらやま・ゆうすけ)
2001年入社。北海道報道部などを経て外報部(現・国際報道部)へ。経済部、アメリカ総局、ドバイ支局長などを歴任。2016年から現職。

「デジタルファースト」の時代に

 従来は「特ダネはまず紙面で」がスタンダードでした。しかし、朝日新聞は明確に「デジタルファースト」に舵を切りました。
その象徴的な事件が、「日産ゴーン会長(現在は元会長)逮捕」です。

 2018年11月19日17時11分、他社に先駆けて、「日産のカルロス・ゴーン会長逮捕へ」の特ダネを朝日新聞デジタルで配信。Yahoo!にも配信しました。朝日新聞デジタルでは119万PV、Yahoo!では508万PVとよく読まれました。さらに、この速報は、朝日新聞社のAJW(英語版)、中文網(中国語版)でも配信され、APやロイター、ニューヨークタイムズなど世界主要20社が引用しました。

 同日20時37分には、ゴーン会長が乗っていたとみられるビジネスジェット機が東京・羽田空港に到着し、待ち構えていた特捜部係官らが乗り込む様子を特報。テレビ局や通信社からこの動画の購入希望が相次ぎました。

 デジタル空間でも、特ダネは強い。
 信頼出来る情報を、圧倒的早さで、次々と配信できるメディアが生き残っていきます。

「デジタルファースト」の時代に

 従来は「特ダネはまず紙面で」がスタンダードでした。しかし、朝日新聞は明確に「デジタルファースト」に舵を切りました。
その象徴的な事件が、「日産ゴーン会長(現在は元会長)逮捕」です。

 2018年11月19日17時11分、他社に先駆けて、「日産のカルロス・ゴーン会長逮捕へ」の特ダネを朝日新聞デジタルで配信。Yahoo!にも配信しました。朝日新聞デジタルでは119万PV、Yahoo!では508万PVとよく読まれました。さらに、この速報は、朝日新聞社のAJW(英語版)、中文網(中国語版)でも配信され、APやロイター、ニューヨークタイムズなど世界主要20社が引用しました。

 同日20時37分には、ゴーン会長が乗っていたとみられるビジネスジェット機が東京・羽田空港に到着し、待ち構えていた特捜部係官らが乗り込む様子を特報。テレビ局や通信社からこの動画の購入希望が相次ぎました。

 デジタル空間でも、特ダネは強い。
 信頼出来る情報を、圧倒的早さで、次々と配信できるメディアが生き残っていきます。

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