Message 先輩メッセージ

現在の仕事
ローマ支局で難民・中東問題を記事に

 2015年1月にこれまで取材していたエルサレム支局からローマ支局へ異動しました。イタリア、バチカン、ギリシャ、マルタ、キプロスなどが担当地域です。中東から欧州に引っ越したとはいえ、同じ地中海文化圏なので、行く先々で古くからの交流をうかがわせる史跡を見つけては感動しています。

 いま、欧州では難民問題をはじめ中東に端を発する問題が表面化しています。担当地域の課題を深掘りしつつ、中東を取材したときに発見したことをどう生かして伝えられるか、日々頭を悩ませています。

 特派員の仕事で面白いのは、取材を通じてその国の習慣の違いが見えるところです。中東では取材先でまず1杯のコーヒーを飲まなければ始まらないのが、ギリシャでは昼間なのに「まず1杯飲め」とお酒を振る舞われることも。日常生活で発見したおもしろいことが記事になる場合もあるので、暮らし自体が取材の一環と言えます。

 実は私が海外に興味を持ったきっかけは中学生のときに地元・遠野市の姉妹都市のイタリア南部サレルノ市でホームステイしたことでした。カイロとエルサレムを経てまたローマへと、地中海周辺には何かとご縁があるようです。

印象に残っていること
ジャーナリスト仲間の言葉が心を刺激する

 「空爆の犠牲になった人の名前・年齢・境遇を書くようにしている」。2012年11月のイスラエル軍によるガザ空爆後に会ったパレスチナ人のジャーナリストが語った言葉です。何人が死亡という数字では、その人に普通の人生があったことを表せない。空爆、抗議活動、内戦などで何人が死亡という記事を書くことが増えていた頃、彼女の言葉に鈍くなっていた自分の感覚を呼び覚まされたようでした。以来、記事にすることができない場合でも、可能な限り犠牲者の詳細な情報を確認し、小さな衝突でも現場に足を運ぶように心がけています。

これから
中東のスペシャリストに

 「中東で女性が働くのは大変ではないですか?」とよく聞かれますが、むしろ有利です。女性だからこそ、女性しか入れない場所へも入って取材することができます。男性だけしか入れない場所でも、宗教施設以外では取材を断られることはほとんどありません。地元記者も、女性の活躍が目立ちます。

 本当に記者の仕事は森羅万象が相手です。複雑な中東情勢を読者にどうわかりやすく伝えていくか。終わりや限界がないのが、この仕事の魅力だと思います。

 将来的には中東の全総支局の特派員を経験して、中東のスペシャリストになること。大学時代はアラビア語を専攻し、今はヘブライ語を勉強していますが、ゆくゆくはトルコ語とペルシャ語にもチャレンジしたいです。そのうち古代語まで読めるようになって、未解明の文字の解読、考古学上の新たな発見ができたらいいのにと思います。え、そのための勉強? 暇になったらやります。

MY CAREER HISTORY私のキャリアヒストリー

2004 / 04

和歌山総局 警察・高校野球・県政などを担当 [1年目]

 県政担当をしていたとき、県発注工事をめぐる談合事件で、当時の知事が逮捕。なぜこのような事件が起きてしまったのか? ある人の人生を大きく変える可能性のある報道の力やそのあり方について、いろいろ悩み、深く考えるようになりました。

2007 / 05

外報部 [4年目]

 数カ月間、外交・国際グループに所属。

2007 / 09

政治部 [4年目]

 政治部に配属されて2週間目の2007年9月12日。突然の「安倍首相辞任」。所信表明2日後の辞意表明でした。ほんの一瞬で何かが崩れ、そして生まれる。歴史が動く瞬間を目の当たりにすることができるのも政治記者のだいご味の一つなのだと思いました。政治部で、首相官邸、自民党、国会、民主党、外務省などを担当しました。

2011 / 09

エルサレム支局 [8年目]

 イスラエル、パレスチナ(ヨルダン川西岸・ガザ地区)を主にカバーしていました。中東和平を中心とする政治の動きはもちろん、防衛、経済、宗教、芸能など、ありとあらゆるニュースを取材。

ヨルダン・シリア難民キャンプ
2015 / 01

ローマ支局 [12年目]

 ローマを中心に、地中海周辺、中東に端を発する問題を取材。

入社動機

 1年間のエジプト留学から帰ったら、日本の就職活動のペースについていけず、大学院へ進学。修士課程の中頃に再び就職活動を始めたものの、就職氷河期で、文系大学院生には厳しかった。いつかは中東で働きたいという思いも断ち切れずにいました。朝日新聞はどんな経験も「個性」ととらえてくれる懐の深さがあり、仕事の自由度が高いことも決め手になりました。

エジプト留学中(大学3年)

オフの過ごし方

 料理が趣味。出張先で気に入った料理があると、本屋で料理本を購入し、スーパーでスパイスなどを手に入れ、後から自分で作ってみることも。最近は冷凍術にはまっています。出張前には卵やキャベツなど、食べきれなかった食材をせっせと冷凍しますが、先日、1カ月の出張後に帰宅したら電気が止まっており、冷凍庫の中の食材が違うものになっていてショックでした。

ヨルダンにて

みなさんへのメッセージ

 新聞記者は、入社してみたら結構普通の人でした。普通のあなたは安心して、普通じゃないあなたは自慢して。何しろ世の中はとても広いので、書くべきことはたくさんあります。一緒に書きましょう!

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