Message 先輩メッセージ

現在の仕事
地道な取材と調査を重ね、まだ表面化していない事実を掘り起こす

 売ろうと思っても売れない、市場価値が落ちたのに税負担や管理コストが重くかかる「負動産(ふどうさん)」の取材をしています。背景には、日本が本格的に人口減時代に突入したことがあります。地方だけでなく都市郊外にまでこうした「負動産」は広がりつつあります。

 ある別荘地では、二束三文になった土地を所有者がお金を払ってまで処分した例や、郊外のベッドタウンでは、住民合意ができず解体できないまま朽ちていくマンションもありました。特別報道部は持ち場がないため、自分でテーマを設定して自由に動けます。時代の先端を歩くことで、日本の将来の姿を肌で感じられるところに魅力があると思います。

印象に残っている言葉
「日々の動きを書かなくなったら終わりだ」

 この仕事をしていると、誰もが突き当たる壁があります。発表よりも半日とか1日とか早く報じる「抜く」という作業です。どうせ発表されるのに、なぜ膨大な労力をかけて事前に報じなければいけないのか?

 私もこの疑問を持ち続けていましたが、ある先輩の話で胸のつかえが取れました。「新聞記者は日記をつけることが仕事。日々の動きを書かなくなったら終わりだ」と。早く報じようという姿勢がなければ、隠された事実も発見できないということでした。こうして積み重ねた日記はいずれ歴史になります。迷った時に立ち返る教訓にしています。

これから
長期にわたって追いかけるテーマ、そして新たな挑戦

 1日でも長く現場の記者でいられるよう関心や技術の幅を広げたいと思っています。取り組んでいる「負動産」シリーズも、私にとっては新たな挑戦です。投稿・投書してくれた読者との対話を通じて、人のプライバシーに立ち入らせてもらい、その人たちの窓から社会を見つめ直し、問題点を洗い出すという作業をしているからです。原発の行く末も気になります。福島第一原発事故5年の検証記事に携わったので、10年、15年と関わっていければと思っています。

MY CAREER HISTORY私のキャリアヒストリー

2002 / 09

入社 山形総局 警察・行政担当 [1年目]

 腎臓に病気のある5歳の息子を母親と同居の男が殺害、死体遺棄した事件は、同僚と聞き込み取材を重ねて連載にしました。SOSを発していた男の子。心が痛みました。

2005 / 04

宇都宮総局 警察・行政担当 [3年目]

 宇都宮市に眠る巨大な地下空間に驚かされました。大谷石の採石跡地は今でこそ観光スポットですが、当時はごみ焼却灰を固めた溶融スラグで埋め戻す意見がありました。

地底45メートルの大谷石の採石場から地上を見上げる
2007 / 05

名古屋報道センター 警察・遊軍担当 [5年目]

 回遊魚のように事件現場と警察官の自宅をかけずり回っていました。苦労が大きかった分、愛知県警グループの結束力は強くなり、仲間に助けられたこと数知れず。感謝しています。

2010 / 04

特別報道センター [8年目]

 東日本大震災後に岩手県の三陸海岸沿いを取材しました。大切な家族を失い、身内を探し続ける被災者を前に、自分の無力さを痛感し、何ができるのか自問自答しました。

2011 / 04

経済部 農林水産省担当 [9年目]

 環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に、日本が参加するかどうかが焦点でした。脚本家・倉本聰氏へのインタビューは、戦後日本の歩みまで考察していて印象的でした。

2012 / 09

政治部 与党担当 [10年目]

 自民党が再び政権についた時の与党担当でした。生活に関わりが深い国の予算や税制が決まっていく政治プロセスを間近で取材できたことは、大きな財産になっています。

2014 / 04

経済部 経済産業省、財務省担当 [12年目]

 新規制基準のもとで初の原発再稼働に立ち会いました。東京電力福島第一原発の事故の教訓は置き去りにされ、政府によるなし崩し的な再稼働に不安をおぼえました。

東京電力福島第一原発の中央制御室の様子。まだ放射線量が高く防護服と全面マスク着用だった
2017 / 04

特別報道部 [15年目]

 「自分の代で処分したい」。売るに売れない「負動産」を抱えた人たちは口をそろえます。土地が「資産」ではなく「負担」になっている人口減の時代を、切り取ろうとしています。

入社動機

 実家が朝日新聞をとっていたというのが一つ目の理由です。次に、権力にひるまずもの申す姿勢が新聞記者像だったので、イメージに一番近かったのが朝日新聞でした。最後に、当時から社会人の中途採用を積極的に受け入れていたことがあります。

オフの過ごし方

 休日は子供と一緒に遊んでいます。

近所の公園を娘と散歩

みなさんへのメッセージ

 取材すれば新たな発見に遭遇します。一緒に「へえー!」を探しましょう。

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