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石川 智也(いしかわ ともや)
東京報道局 社会部・教育チーム 1998年入社
社会的な関心事として教育を掘り下げていく。
現在は、大学などの高等教育を中心に法科大学院などの専門職大学院まで担当しています。日ごろは政策や制度面の話題が多いのですが、最近は資産運用で多額の損失を出した私立大学のニュースを追っていました。一見、ひとつの大学の経営問題でしかないように見えますが、高い授業料を払って子どもを大学に通わせている親にとっては深刻な問題であり、かつ、日本の教育の質の低下をも招きかねない大きな問題です。教育とは私たちすべての人が関わるもの。多くの人に影響を与える問題を取り上げ、わかりやすく掘り下げていくことを心がけています。また、教育というのは様々な領域の問題と密接に関わるものです。たとえば日本の大学進学率は今や50%を超えています。一方で、経済的事情などから進学をあきらめざるを得ない高校生が増えているのも事実です。その背景には、格差問題や、諸外国と比べて高等教育への社会的資源の配分が低い点、給付型奨学金の整備の遅れなど、様々な問題があります。これからの社会を支える世代の人口が減る中で、こうした問題を記事にしていくことで、あるべき教育の姿を社会全体で考えていくきっかけをつくっていければと考えています。
経験を積めば積むほど、初心を忘れてはいけない。
朝日新聞社は、自分が書きたい、調べたい、追いたいと思ったテーマを追うことができる環境が整っているほうだと思います。「朝日新聞記者」の名刺があるだけで様々な現場を取材し、様々な人と会うことができます。しかし、これまでの取材を通じて痛感したのは、取材現場では、記者としてだけでなく一個人として、ものの見方や知識など全人格が問われるということ。こちらが持っているものをすべてさらけ出してぶつからないと、すべてを話してもらえる信頼関係を築くことはできないのです。常に大きな緊張感が伴いますが、「仕事」を超えて、自分が刺激を受けて大きく成長できる機会でもあると感じています。一方で、経験を積めば積むほど、ニュースになるかならないかの相場観が身についてしまい、そのニュース価値によって取材対象を判断してしまいがちです。そこに陥ってしまうと本質を見落としてしまうことにつながりかねません。心の片隅では常に、右も左もわからずひたすらに現場に向き合っていたころの初心を忘れてはいけないと思っています。こうした記者としてのスタンスをしっかりと意識しながら、より公平で公正な世の中をつくるための記事をこれからも書き続けていきたいと思います。

入社動機 ノンフィクションやドキュメンタリー映画が好きで、「興味ある事象を調べて自分なりに何らかのかたちにする」ということを仕事にできれば幸せだなと、漠然と考えていた。記者の日常をルポした斎藤茂男さんの著書「新聞記者を取材した」を高校生のころ読んで、「理想と現実は違うんだなあ」「とにかくキツそうな仕事だ」と、ジャーナリズムの世界を敬遠していたころもあった。しかし、自分の一番やりたいことができる仕事はやはり記者だと考え、入社を決意。
キャリア 入社後は、岐阜総局に配属。警察や教育、県政を担当し、名古屋本社管内の支局を経て東京本社へ。紙面編集の仕事を経験した後、社会部へ異動。遊軍記者やメディア問題の取材を担当し、2008年4月から教育グループに。現在は社会グループ・教育チーム。10年10月から水戸総局へ。